2013年5月4日土曜日

警察署に告訴状を受理してもらうための要点

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"Title : 警察署に告訴状を受理してもらうための要点 - 弁護士 Barl-Karthによる peace-loving 日記
"Cats : 社会・世相・時代の参考情報,弁護士,警察,告訴
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業務の都合で年に何度か告訴をすることがある。メディアに予告したうえ,テレビカメラのお出迎えを受けることもあれば(警察官を告訴する場合など),一般的な事件の解決の手段として告訴することもある。

桶川ストーカー殺人事件以降,警察署の告訴に対する対応が少しは良くなったかと思ったら,少なくとも田舎署では全く変わっていない(これに反し,検察庁はすんなりと受け付け<預かり?>のうえ,3-4日後に「本日受理扱いとしました」と連絡がくることが多い)。

たとえ弁護士であっても,よほど気合いと年季とテクニックがないと,「受理」どころか「受付(預かり)」さえおぼつかないことが多い。以下,「底意地が悪くて面倒な仕事をしたがらない警察署に対する対応事例」を示す。

1 前日,「告訴状を提出する」旨予告電話を入れる。刑事課長が対応。罪名を告げると,明らかに厭そうな口ぶり。内容・様式を最終点検する。署名捺印等(警察提出書類は,未だに「記名(ワープロ楷書体)」はだめらしいし,割り印も不可欠)がないというだけで,「拒否」の口実になってしまう。

2 パートナー弁護士を乗せ,減価償却毎年X0万円計上の営業用自動車で北上する(BGMはマーラーの8番)。

告訴人数名と警察署内駐車場で落ちあう。刑事課長と30代の刑事課員が対応した。刑事課長は,約1時間20分にわたり,慇懃無礼な態度であれこれ難癖を付ける。「擬律全集」と題する分厚い内部資料集が机に置かれてある。

弁護士が田舎署の課長(警部くらいだろう)相手に法律論争をするのは大人げないので,当方はあくまで下手に出たうえで,「桶川事件」とか,国賠の話をちらつかせる。この辺が老獪な弁護士の交渉術である(Yさんと一緒かも知れない)。「こいつ,受付さえする気がないな」と見切りを付け,告訴状原本・委任状をテーブルの上に置いたまま,依頼者(告訴人)に「さて,これで帰りましょう。」と申し向けてコートを着用し,足の塵を払い,会議室を退出しようとする。

刑事課長はさすがに慌て,「検察庁と相談するから待ってくれ」と述べ,階下に消える。残された若手の刑事課員の面前で,依頼者と警察の悪口を世間話する。若手刑事課員は居眠り(の振り)をしていて,お気の毒だった。

15分くらいして刑事課長が会議室に戻り「検事と相談したが,とりあえず預かる。早急に必要書類を追完してほしい」というので,その旨了承する。雑談みたいな感じで<X三席ですか?>と探りを入れたところ,刑事課長は「T検事です」と自白する。

帰りのBGMはバッハのモテット。日経平均をNHKラジオでチェックする。上がっているらしいので,BGMを高橋薫子様に変更する。

3 準備書面起案のため依頼者と打ち合わせ,メールチェック(「弁論要旨担当部分を早く送れ」との督促あり),当職不在中の電話対応について事務員さんからの報告,再生委員と再生計画案(トリビアルな文言の修正)の擦り合わせ。持ち株のチャートの確認(「レンゴーは思惑どおり下げ始めている。眼鏡屋さんは鳴かず飛ばず。岡部は突飛高←原因究明の要あり。アイフルはもう少し値を上げたら空売りを仕掛けよう等々」)。そうこう事務処理をしていると,

4 午後5時40分ころ,田舎署刑事課長から来電がある。刑事課長は事務員限りで電話を切ろうとしたが,「切らないでお待ちください。Barl弁護士に代わりますので」と事務員が対応し,「センセー○○署の○さんから電話です。かなり慌てている様子ですけど,また何かやったんですか?」と電話を取り次いだので,当職が対応する。刑事課長曰く「本日預かった告訴状,委任状は郵便で返送します」。一方的に電話を切られる。

5 このような電話を受けた後が弁護士としての腕の見せ所である。

(1) 田舎署に架電し「署長か副署長を出せ」と当職が要求したところ,電話受付は「当署は現在当直主任しかいません」と述べた。当職は「御署の方で執務時間外にサプライズな電話を架けてきたのだから,公平の原理上,署長自宅の電話番号を教えてくれ」と要求した。

(2) 県警本部監察官室に架電し,ねちっこく苦情を申し入れる。「貴職の官氏名は?」と確認する。警視らしい。結構Eleison。(「警部」が当職の苦情電話連続波状攻撃を受け,警視に取り次いだらしい。警視からの来電後,6-7分置いて再度架電すると「電話受付」が「監察官室に何回も内線を入れているのですがだれも電話に出ません」というので(明らかな居留守と断ずるほかない),「若頭か本部長を出せ。本部長は確か岸○才○さんだったよね」と申し向けたら「みんな帰りました」とのことなので「本部長の公舎はうちの事務所の近くらしいな。今から若い○を・・・」と捨て台詞を述べて断電した。

仕方がないから,T検事に電話する(代表電話では不通状態だったので,直通電話番号を押した)。法律家同士なので,

 ア「告訴状を不受理し,これを郵便で返戻するという行政処分の違法・不当性」

 イ 国家賠償の要件事実。

 ウ 「名誉毀損罪の構成要件<不特定and/or多数の認識できる状態(andかorかはコントロバーシャルだが,「認識したこと」が要件事実でないことは通説判例である)>」,「共謀」の犯罪事実記載例。

等を腹を割って話し合った。T検事は「刑事課長にしかるべく電話をする。しかし,このような場合,検察庁が警察に対して指揮/命令する権限はありませんのでよろしく」と述べた。当職はこれを了承する。

(3) 15分後,刑事課長に架電したら「只今ほかの電話と対応中の様子です」と言われた(電話取次中「預かりということで帰ってもらったのだが」という声が聞こえた。T検事から電話が入ったらしいね)。「じゃぁ,その電話が終わったら,直ちに私の事務所に電話をください。」と述べて電話を切る。来電がないので15分後に電話したら,「まだ,ほかの電話に対応中」とのことであった。「返電してください」と述べ,電話を切った。

6 刑事課長から来電

当職 「ええとですね。この電話で課長と刑事訴訟法や刑法の論争をしたくないのです。」

課長 「分かりました。将来的に関係書類が追完されると言うことであれば,告訴状を郵便で返送することは差し控えます。」

当職 「私も事を荒立てるつもりはないのですよ。今まで何回か検察や警察の不法行為を理由として国賠を何件か起こしていますけれどもね・・・・。」

課長 「今後ともご協力いただければ幸いです。」

当職 「はい,喜んで」。

http://www.police.pref.niigata.jp/station/murakami/index.html

引用:警察署に告訴状を受理してもらうための要点 - 弁護士 Barl-Karthによる peace-loving 日記




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