供述調書
住所 金沢市XXXXXXXXXXXXXX番地
職業 トラック運転手
電話 xx局xxxx番
氏名 多田利明
昭和四七年七月一七日生(一九歳)
右の者は、平成四年四月一一日金沢西警察署において、本職に対し、任意次のとおり供述した。
一
私は、今言ったところに住み、
一昨年の八月から
市内二口町にある
市場急配
という運送会社に
トラック運転手として
働いています。
二
ところで、この
四月一日の晩
私と同僚の
廣野秀樹が
同じ会社の事務員である
AAさん
を殴るなどして怪我を
負わせたことは
その翌日
会社の同僚から聞いて
知っております。
そこで、今、警察の人から
廣野さんと
Aさんとの関係や
Aさんの男関係などに
ついてお尋ねですから
今から、自分の知っていること
を話します。
三
先ず、廣野さんですが
彼は、私よりも
今の会社への入社が遅く
昨年の四月頃に入ってきた
はずです。
以後、よく一緒に食事をした
りして
同じ会社の者の中でも
割と仲の良い方でした。
Aさんは自分よりも少し早く
今の会社で働いていた
はずで
彼女は
事務関係の仕事を
していたのです。
Aさんについては
私達の運転手仲間では
Aちゃん
と呼んでいるので、これからも
そのように喋っていきます。
四
廣野さんが
Aちゃんを殴ったりした
原因等についてですが
同僚等の話しの間から
交際をAちゃんに迫って
いたものの
よい返事をしないことに
廣野さんが腹を立て
殴ったりした
というように聞いています。
そう言えば
私自身も、廣野さんの
口から
俺、Aちゃんが好き
なんやけど
どうすりゃいい
というような話しというか
相談を受けていたのです。
この話しは
私の記憶では、今年に
入ってから
逢う度に 廣野さんから
聞かされていたのです。
その都度 私は 廣野さんに
Aちゃんの気持ちを
聞いてみたか
とか、
お互いよく話し合って
みたら
という風に言っておりました。
五
私からみて
廣野さんは Aちゃんに
何度か
アタックをしている
様子でしたが
はっきりとした気持ち
を伝えてもらえないような
感じでした。
正直言って
私は 二人の様子を見て
いて
これはダメやなあ
と思っていたのです。
というのは
私自身
Aちゃん本人から
聞いた訳でもないのですが
廣野さんに
煮えきらない態度
をしていることが
廣野さんの口振りから
はっきりとわかったからです。
六
Aちゃんという子は
廣野さんだけ 特別
という態度をとらず
俺達 運転手仲間全部に
同じように接し
話しもしてくれる子
で 言ってみれば
気だてのよい
やさしいタイプ
の女の子なのです。
そのような子ですから
廣野さんも好きになった
と思いますが
Aちゃんにしてみれば
特別 廣野さんにだけ
好意をもっていた
という事は
無かったように思う
のです。
七
廣野さんは 私と顔を合わ
す度に
Aちゃんのことを
喋っていましたが
よい返事を貰えない
と言っていたかと思うと
それでも
俺に何か気があるみたい
と言っており
私にすれば
廣野さんは
何か勘違いしている
のではないか
つまり 廣野さんは
一方的に、Aちゃんは
俺のことが好きだ
と思い込んでいたものと思う
のです。
たとえば
俺のトラックを停めてある
場所の隣りに
Aちゃんが自分の車を
停めていた
俺の気を引こうとして
いる
と言ったりするのです。
そのような事は廣野さん
だけで無く
過去に 私も 同様のこと
があったので
あんた だけではない
と言ってやったこともあったの
です。
問
安藤さんが付き合っていた男
を知りませんか、
答
私自身 Aちゃんに
特定の男性がいた
かどうか知りません。
以前 私達の会社に
YSK
という運転手がおり
AちゃんがそのYSK君
と一緒に
私の家に 遊びに来たこと
がありましたが、
そのYSK君とは
特別の仲という風には
見えませんでした。
八
私とYSK君とは
会社の仲間でも
特別 仲の良かった方で
暇があれば
よく一緒に遊んでいた
のです。
それで そのYSK君が
Aちゃんを連れ
家に来たのが
去年の一月頃だった
と思うのですが
その後 私は YSK君に
Aちゃんと
どの程度まで進んでいる
つまり深く付き合っているのか
と聞いてみたことがあったのです。
これに YSK君は
別に特別な仲でも
ないよ
と返事をしていたし、以後
YSK君とAちゃんの二人が
連れ立って
一緒に食事をしたとか
ドライブに行った
というような話しもなく また
見たこともなかったので
Aちゃんには
特定の男はいない
と見ていた訳です。
実際 Aちゃんは
仕事が終わると
特に 寄り道もせずに
真っすぐに 家に帰っていた
ようでした。
九
今話した
YSK君というのは
私の中学校の先輩で
市内東力町に住み
去年の五月か六月頃まで
一緒に市場急配で
運転手として働いていましたが
現在は
自分でトラックを持ち
フリーで運送の仕事を
しています。
一〇
廣野さんは
私とYSK君と仲がいい
ことを知っており
何度か
YSK君とAちゃんの
関係について尋ね
られたこともありました。
私に聞く内容は
YSK君は
今でもAちゃんと
付き合っているか
とか、
二人だけで食事に
行ったことがあるか
というような事でしたが
先程も言ったように
二人の付き合いは
深いものではなく
ディトをしているところを
見たこともなかったので
そんな事はないはずや
と話していたのです。
YSK君が
会社をやめたのは
特別な問題があった訳
ではなく
自分でトラックを買った
ことで
フリーで仕事をする
ために退社したのです。
また
廣野さんは
直接 YSK君に逢って
Aちゃんとの事を聞いて
いるはずです。
いつ頃だったか 忘れてしまい
ましたが、
YSK君に逢って
Aちゃんと付き合って
いたことがあったかどうか
聞いてみた
と私に話していたことがあり
ました。
一一
このように
廣野さんは
Aちゃんに対し
異常と思える程の熱意で
交際を迫っていたことは
確かな事実です。
普通なら
あきらめるところを
何度となく
しつこく交際を迫り
正直言って
廣野さんのことを
なんと変わった人だ
と私は 思っていたのです。
一二
Aちゃんは
廣野さんに殴られたりした
ことで
現在も
県立中央病院に入院中
であり
しかも意識不明の重体
とのことですが
同じ同僚として
Aちゃんには
一刻も早く治ってほしいし
廣野さんは
自分の罪を償い、立ち治って
ほしい
と思っています。
TTK
右のとおり録取し読み聞かせたところ
誤りのないことを申し立て署名指印
した。
前同日
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