食材を選べない料理人の悩み
コメント欄より再掲
料理人(弁護人)は目の前にある食材(被告人の供述)と調味料(その他の証拠)を使ってしか料理できません。
食材が悪すぎるとどう転んでもおいしい料理はできない。
それでも、料理人の腕の差は出る。
by モトケン
ちなみに食べる人は裁判官です。
モトケン (2007年9月30日 09:59) | コメント(59) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:食材を選べない料理人の悩み - 元検弁護士のつぶやき
説明の義務と説明の必要性
説明責任に関連して、説明の義務と説明の必要性というものが議論されているようですが、どうも説明の対象について混乱が見られます。
刑事司法の仕組みや弁護人の役割についての説明と、具体的事件における弁護方針などの説明は峻別すべきものと考えます。
前者については、一般市民(法律の素人)に対する説明の必要性を強く感じます。
これまで関係機関(弁護士会、裁判所、法務省等)の説明は極めて不十分であったと思いますし、根本的には教育の欠陥であるとも思っています(既出です)。
その意味で、裁判員制度の実施を間近に控え、説明の必要性は極めて大きいと思います。
しかし、具体的事件における弁護方針についての弁護人の説明義務がないことは繰り返し述べています。
その意味で、弁護人の説明の必要性も原則としてないと言えます。
「原則として」と言ったのは例外もあるという意味であり、場合によっては説明の必要性が生じる場合もあると思います。
例外の典型的な場合は、弁護人が記者会見などで説明を始めてしまった場合です。
その場合は、記者会見などでいわゆる世間に対して発信を始めてしまった以上、説明が不十分また誤解が生じた場合は、説明を補足し、誤解を解く努力を求められる場合がありうると思います。
つまり、中途半端はいけないだろう、ということです。
刑法理論的な例えで言えば、先行行為に基づく作為義務が生じる場合です。
しかし、その場合も弁護人としては、被告人の利益を最大限に考えなければならないのであり、いかなる場合でも被告人に不利益になる可能性がある説明は避けなければならないと考えます。
具体例を指摘しますと、被告人の供述の変遷が生じた場合、当然その変遷の理由が裁判において重要な争点になるのですから、法廷で被告人が変遷の理由を語る以前に、弁護人がマスコミ等に対して法廷外で変遷の理由を語ることは被告人に重大な不利益を与える可能性のある行為として、弁護人としては絶対に避けるべきです。
被告人が法廷で語る前にマスコミや被害者遺族などに変遷の理由を語るべきであるというようなことを弁護士が言ったとすれば、その弁護士は刑事弁護を全くわかっていないと言わざるを得ません。
モトケン (2007年10月 3日 23:38) | コメント(111) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:説明の義務と説明の必要性 - 元検弁護士のつぶやき
志布志事件接見交通妨害国倍地裁判決
志布志事件「違法に接見交通権侵害」 国・県に賠償命令(asahi.com 2008年03月24日13時58分 ウェブ魚拓)
接見内容を調書化することが絶対許されないというわけではないと思いますが(例えば弁護人による罪証隠滅工作があった場合など)、本件では調書化の必要性があったのかどうか疑問です
事件全体の空気も影響しているかも知れません。
普通なら国・県側が控訴すべき事案だと思うのですが、志布志事件を早く忘れさせたいと思ったらしないかも知れませんね。
事件を風化させないために、是非国・県側に控訴してもらいたいと思います。
理論的な問題として最高裁の判断を聞きたいという気持ちもあります。
しかし、それはそれとして、警察は何のために「否認をそそのかされた」などという調書を作ったのでしょう?
弁護人への牽制か?被疑者への圧力ないし被疑者と弁護人との離反工作の一貫か?
結局のところは、弁護人が邪魔で邪魔で仕方がなかったんだろうと想像します。
なんとかして弁護人を解任させたかったんでしょうね(そういう報道もあった記憶があります)。
そういうことであれば浅知恵と言うしかありませんね。
弁護人の存在を当然の前提として捜査ができなくて、一人前の捜査官と言えません。
浅知恵に基づく調書化や調書化のための接見状況の取調べは、違法とされても仕方がないと思います。
ここまで違法・不当捜査のかたまりのような事件は珍しいと思います。
モトケン (2008年3月24日 15:26) | コメント(6) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:志布志事件接見交通妨害国倍地裁判決 - 元検弁護士のつぶやき
反省しない(と裁判官が考える)被告人
裁判官にピース、検察官には「スケベ」 奇行繰り返す男(産経ニュース)
少なくとも性格的にかなり問題のありそうな被告人ですが、このエントリのテーマはそれとは無関係ではありませんが、刑事裁判の厳罰化です。
報道で見る限り、この被告人には前科がなさそうです。
それを前提にした話になりますが、5000円程度の無銭飲食なら、反省の気持ちを示せば執行猶予付き判決の可能性は決して低くなかったはずです。
しかし、この被告人は実刑でした。
裁判官には反省しているようには見えなかったからだと思います。
反省することができないのかも知れません。
弁護人の暗澹たる思いが理解できます。
刑務所の収容率が増加傾向にあるようですが、それは裁判所の量刑感覚が厳罰化しているというより、またはそれとともに、反省しないまたは反省できない被告人が増えているせいかも知れないと思ったりします。
記事からの印象であり、確たる統計資料等の根拠があるわけではありませんが。
そうすると、この事件もも実刑の可能性が高いかも、と思います。
モトケン (2008年7月 7日 16:13) | コメント(11) | トラックバック(1) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:反省しない(と裁判官が考える)被告人 - 元検弁護士のつぶやき