死刑に対する朝日の見識
朝日新聞夕刊素粒子欄「死に神」の表現、鳩山法相が抗議(ヤフーニュース6月20日11時43分配信 読売新聞 落合ブログ経由)
朝日新聞は「永世死刑執行人 鳩山法相」「2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神」などと報じた。
鳩山法相はなにかとアレな発言が目に付きますので、個人的にはそれほど高く評価しているわけではありませんが、この朝日の文章は、鳩山法相を侮辱するものであることは間違いないと思います。
そして、鳩山法相を侮辱するだけでなく、死刑とその執行を揶揄するものになっています。
その意味では、執行された死刑囚に対する冒涜というのも、全くの的外れではないかも知れません。
死刑の執行は、法相の一存で決まるものではありません。
法相に執行指揮の決裁を仰ぐ前に、法務省の局付検事による徹底的な確認調査があると聞いています。
執行の際には、関与するすべての人が命をすり減らす思いで執行しているのではないかと想像します。
朝日の素粒子の筆者はそれらのことをどう考えていたのでしょう。
いずれにしても、天下の朝日は最低の見識を示してくれました。
関連報道
以下のニュースは、ヤフーニュースのエンターテインメントカテゴリの日刊ゲンダイ配信のニュースですので、取り上げるのを躊躇しましたが、死刑の執行が慎重になされていないのではないかと指摘したり、心理学の専門家らしき人がコメントしてますので一言コメントしておきます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080621-00000009-gen-ent
鳩山は法相就任時に、「法相が署名しなくても自動的に死刑が執行できる方法はないか」と言い放ち、“ベルトコンベヤー発言”と批判された。が、そんな外野の声は一切、意に介さない。実際、ほぼ2カ月に1回のスピード執行が続いている。本人は「慎重にも慎重な検討をした結果」と言っていたが、どう考えたって「慎重」には見えない。
明大講師の関修氏(心理学)はこう分析する。 「チョウのコレクションが趣味の鳩山法相は、生命を尊重するという意識がやや希薄なのだと思います。整然と並んだチョウの標本を見てウットリする。整然としたものが好きなのです。そんな法相にとって、確定した死刑を執行しないのは“ルール違反”。死刑執行で職務を全うし、ルールを守った自分を美しいと思っているのではないか」
この記事は、鳩山法相が自分の判断で片っ端から死刑の執行を指揮しているという認識が前提になっているような内容ですが、私に認識では(執行実務に携わってないので伝聞ですが)、上に述べたように、死刑の執行については、局付検事らがすべての裁判記録を細心の注意をはらって一言一句まで読み込んで、慎重の上にも慎重な調査を行った上で法務大臣に執行指揮の決裁を受けているのであり、法務大臣には事実上の拒否権(判子を押さないという意味)があるだけです。
そして、歴代の法相の中には死刑の執行指揮書に判子を押すのを拒否した人が何人かいますし、いやいやしぶしぶ最低限の判子だけ押した法相もいるはずです。
その結果として、調査済みの事件がかなりあることが想像されます。
鳩山法相はそれらの事件について死刑を執行していると思われ、鳩山法相は死刑の執行について抵抗感がない人なんだろうとは思いますが、死刑の執行が慎重になされていないのではないかという指摘は失当だと思います。
モトケン (2008年6月20日 15:00) | コメント(197) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:死刑に対する朝日の見識 - 元検弁護士のつぶやき
2013年2月8日金曜日
死刑に対する朝日の見識<元検弁護士のつぶやき>
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