私は、朝日新聞は犯罪報道の問題について語る資格がないと考えます<元検弁護
士のつぶやき>
こんなことで逮捕、実名報道か
バレンタインチョコ万引き容疑、茅ケ崎市課長を逮捕
asahi.comの記事です。
今のところ、他のニュースサイトでの掲載は見つけていません。
事実関係は
同署の調べでは、A容疑者は11日午前11時半ごろ、寒川町岡田のスーパーでバレンタイン用のチョコレート4点とカップめん3点の計7点(計3300円相当)を盗んだ疑い。
とのことです。
「A容疑者」の部分は、報道では実名です。
容疑者は、市の課長ということですので、前科はないと思いますのでそういう前提で書きます。
事件の内容から見れば、初犯であればまず起訴されない事案です。
このようなそれなりの地位のある人が、十分所持金を持っているのに(報道によれば3万円を所持)万引をする事案というのは、かなり精神状態が不安定な人が多いです。
精神の不安定さの原因には、本人に同情すべき場合もあります。
まず思うのは、このような事件でどうして逮捕しなければいけないのか、ということです。
警察は、「否認しているから」と言うのでしょうが、そんなものは理由になりません。
事件は、万引の現行犯事案です。
容疑者が否認しようがしまいが、事実認定にほとんど問題はありません。
次に、問題なのは、この事件をわざわざ警察が「発表した」ということです。そして朝日新聞がそれをわざわざ実名報道したということです。
警察や朝日新聞としては、容疑者が公務員それも市の課長という地位にあるからだというのでしょうが、市の課長という地位にあるからこそ、実名報道による容疑者のダメージは破壊的です。
やったこととペナルティとのバランスという問題を朝日新聞は何も考えていないのでしょうか。
容疑者の前歴や背景事情を何も考えずに実名報道をしたとすれば、私は、朝日新聞は犯罪報道の問題について語る資格がないと考えます。
この容疑者が万引の常習者であったというなら話は別ですが(それでも短絡的な報道は問題ですが)、初犯者であったとしますと、
怒りがこみ上げてきます。
ところで、検察は容疑者の勾留を請求したのでしょうか。したとすれば勾留請求は認められたのでしょうか?
モトケン (2006年2月12日 17:41) | コメント(5) | トラックバック(1) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top)
引用:こんなことで逮捕、実名報道か - 元検弁護士のつぶやき
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