2013年2月21日木曜日

単に厳罰化を求めただけはなく、また医療過誤事件の刑事立件の社会的影響を視 野に入れた訓示<元検弁護士のつぶやき>



検察庁の重罰化(重要な追記あり)

「被害者の心情に配慮した科刑を」 但木検事総長(asahi.com 2006年09月13日12時31分)

 但木敬一検事総長は13日、全国8高検の検事長や50地検の検事正が集まる検察長官会同のあいさつで、「山口県光市母子殺人事件に関する最高裁判決の趣旨に十分留意していただきたい」と述べ、検察官に厳しい求刑を促す姿勢を示した。

 但木総長は「遺族を含む犯罪被害者の心情に十分配慮した厳正な処分や科刑の実現により、治安回復の目的を達成しなければならない」と強調した。

 但木検事総長は厳罰化の姿勢を鮮明にしたようですね。
 
 検察の処分全体にかなり大きな影響を与えそうです。
 死刑求刑レベルの話だけでなく、罰金か正式起訴かというようなレベルに至るまで「迷ったら厳罰方向へ」という流れになりそうです。

 メリハリの利いた処理が大事だと思う私としては、事案の実態を冷静に見ることなく、被害者の感情に引っ張られてなんでもかんでも重罰主義的な処分が行われることが心配です。

追記
 どうもこのニュースは検事総長の真意を歪めて伝えている恐れがありそうです。

追記(続報)
 但木検事総長のあいさつ(訓示)の中に

医療過誤・飛行機事故などはこれまで被害者の利益を考えて刑事責任の追及を行ってきたが、国民や社会全体の利益の観点に立って、原因究明や事故防止のためにどういう枠組がいいのか検討すべき時期に来ている

という趣旨の発言があったようです。

 いうまでもなく私が直接聞いたわけではありませんので、正確を期すことはできませんが、単に厳罰化を求めただけはなく、また医療過誤事件の刑事立件の社会的影響を視野に入れた訓示であったことは間違いないと思います。

 検事総長の訓示については、厳罰化だけでなく、社会的影響や新たな枠組みの必要性について言及した部分こそが重要だと思うのですが、マスコミはいったいどこに目を付けているのでしょう。
 聞いていた記者が、訓示の意味を理解できなかったのかも知れません。
 
 大事な点をきちんと伝えられないマスコミは社会をミスリードするという意味で有害です。
モトケン (2006年9月13日 19:34) | コメント(24) | トラックバック(1) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)


引用:検察庁の重罰化(重要な追記あり) - 元検弁護士のつぶやき


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