モトケンが言いたかったこと
(冒頭追記)
このエントリは撤回します。
これまでの私の気持ちとしてはこのエントリで述べたとおりですが、今後の方針は変更します。
「医療問題に関する最終決定」をお読みください。
(冒頭追記終わり)
前言に反するようで恥ずかしいですが
ここは医師だけが集まっているm3のようなところではありません。
医師が運営している医師ブログでもありません。
弁護士が種々雑多のテーマの中で、医療崩壊問題に首を突っ込んでしまったブログです。
何が言いたいかというと、いろんな人が、つまり医療問題にそれほど関心はないかも知れないがついでに見る人も含めていろんな人が見るブログです。
そういう場所で医療問題を語るときに私が望んだことの一つに、医療自体には詳しくない一般の人に医療崩壊問題に関する理解を深めてほしいということがありました。
言い方を変えれば、医療側の皆さんには、一般の市民の理解が得られるような発言を期待したのです。
なぜ、一般市民の理解が必要かと言えば、草の根的にでも理解が広まっていけば、マスコミの論調にも影響することが期待されたからです。
では、なんのために一般市民やマスコミの理解が必要なのか?
いろいろありますが、法律家ブログ的視点で言えば、将来的に必ず提起されるであろう(医療側から見ての)民事不当訴訟に備えるためです。
典型的な例を予測すれば、救急搬送の受け入れ先がなかなか見つからず、なんとかしなければと思って受け入れた病院が最善を尽くしたにもかかわらず不幸な結果に終わった場合に起こされた民事訴訟などが考えられます。
医療に100%はありません。
となれば、99%の手を尽くしたとしても1%の不手際を理由として訴訟を起こされる可能性はあるのです。
そのとき被告となった医師や病院はどうするのか?
私は、大野病院事件の民事訴訟版と考えるべきだと思います。
現職裁判官のcuriousjudge さんは
裁判官は、その判断が及ぼす社会的影響に対して、無自覚であってはならないでしょう。
と言われています。
つまり、裁判官は世論の空気を読むのです。
となれば、上記のような訴訟が起こされた場合は、医師界をあげて被告を支援しなければなりません。
そして、マスコミや市民の支持を勝ち取らなければなりません。
そのためには、医師が常に(金のためでも保身のためでもなく)患者のための医療行為を追求しているという信頼を得なければなりません。
その上で、医療の不確実性と限界を主張しないと説得力がないと思われるのです。
私の、「誠実な医療の重要性」は、以上のような視点から、医療側にエールを送ったつもりのエントリでしたが趣旨が理解されたとは思えないコメント欄でした。
「東京の妊婦死亡事故」でも、医療側からの問題点の指摘と改善に対する考え方でも出てくるかなと期待したんですが、責任回避論や用語問題にかこつけた責任否定論が目につくことになりました。
そういう主張をしている人は、それが医療を守ることになると思っているのかも知れません。
しかし、私の認識は逆です。
医師は自分のことしか考えていない。患者のことなんか二の次だ。
と感じる人のほうが多いのではないかと危惧します。
「どうして医者は聞く耳をもたない(ように見える)のか」で裁判官ブログを紹介した人がいました。
裁判官を非難するコメント群を紹介することによって自説の根拠を示そうとしたようです。
しかし、あのコメント欄を読んだ非医療者がどういう印象を受けるか、については全く無神経というほかありません。
モトケンはミクロを論じているのかマクロを論じているのかわからないという指摘がありました。
あえて言えば超マクロです。
私は、個々の医療制度を問題にしていたのではないのです。
医療製度を語る姿勢や考え方を問題にしていたのです。
もちろん、それぞれの医師の姿勢や考え方を問題にしたのです。
(私にではなく)一般市民に対するコミュニケーションを考えてほしかったのです。
医療ブログではなくて、このブログでこそできることとして。
大野病院事件判決は、医療側に大きな追い風になる判決でした。
その追い風を最大限に生かすことが大事だと思っていろいろ書いてきました。
しかし、私の思いは裏切られ続けました。
一部理解してくださった医師の皆さんはおられますが、そういう医師の皆さんはたぶん私が何も言わなくても同じく理解してくださっただろうと思います。
そうでない皆さんは、私が何を言っても無駄のように思われました。
医師の皆さんの中にもそう思った人がいます。
「どうして医者は聞く耳をもたない(ように見える)のか」は、ある医師のリクエストによって立てたエントリです。
このエントリで私は、医師に対して一般市民を含めた相互理解を目指すべきだと言っているのですが
このエントリに共感してくださる医師は何人おられますか?
(追記 もうこれに答えていただかなくてけっこうです。)
それによって、このエントリは相互理解に挫折したエントリ群の墓標にも再出発のきっかけにもなります。
コメント欄の様子を見て考えます。
追記
態度を決めました。
もうこのエントリは無視してもらっていいです。
モトケン (2008年11月 7日 15:43) | コメント(29) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク (Top) 引用:モトケンが言いたかったこと - 元検弁護士のつぶやき
2013年2月4日月曜日
では、なんのために一般市民やマスコミの理解が必要なのか<元検弁護士のつぶやき>
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