2013年2月19日火曜日

視野狭窄もここまでくると驚きを通り越してあきれます<元検弁護士のつぶやき>



医療崩壊を加速させる産経の見出し

【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち(2007/08/31 05:02 ウェブ魚拓)

 コメントで紹介のあった産経の論説です。
 主要な新聞の社説としては目を疑うような意見です。

 本文は、システム的な問題点を指摘しているように読めます。
 
 しかし、問題はコメントで引用された末尾の一文です。

 それにしても、痛みをこらえる患者をたらい回しにする行為は許されない。理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。

 この論理はまるで小学生並です。
 「手術中」であったとしても、別の患者が運ばれてきたらその手術をほったらかして新しい患者の治療をするのが医師の義務である、と読めます。
 今まさに手術を受けている患者のことをどう思っているのでしょう。
 本件では緊急手術の直前だった可能性がありますが、問題の本質は同じです。
 視野狭窄もここまでくると驚きを通り越してあきれます。
 システムを語る資格がありません。

 そして見出しは冒頭で書いたようなものです。
 一般的な読者にとって最も印象に残るのは見出しの第一印象と末尾の一文だと思われますので、この論説は結局、システムの欠陥を医師個人の責任に転嫁する世論誘導と見ざるを得ないもので、犯罪的ですらあります。
モトケン (2007年8月31日 13:45) | コメント(110) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:医療崩壊を加速させる産経の見出し - 元検弁護士のつぶやき


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