2013年2月6日水曜日

判決予想自体はそれほど意味があるとは思えませんので、判決が出たらこのエントリは消すかも知れません<元検弁護士のつぶやき>


大野病院事件判決前日のエントリ

 いよいよ明日地裁の判決が予定されています。
 医療側の皆さんとしては、確信をもって、または強い願望のもとに、無罪判決を予想されている方もいるかも知れませんが、私の予想は、無難に五分五分というところです。

 故意犯における故意は、基本的に事実認定としての有無の問題と言っていいと思いますが、過失は、事実の存否の認定というより評価の面が強いです。

 既に医療側から何度も指摘されていますが、大野病院事件において、過失を認定するに当たっての障害はほとんどないと思います。
 じゃあ、当然有罪かというとそうでもありません。
 無罪とする理由もあるように思われます。

 つまり、裁判官が、取り調べられた全ての証拠の検討を踏まえて、被告人を処罰すべきであると考えれば過失があると認定するし、処罰すべきでないと考えれば過失を認定しないだろうと思われるのです。
 これは、「まず結論ありき」というのとは違います。
 証拠調べの結果明らかになった事実と、弁護人・検察官双方の主張を聞いた上での判断です。

 傍聴記などの情報に基づけば、事実関係としては、どっちも可能性があると思います。
 となると、もっとも大きな問題は判決の社会的影響をどう見るかだと思われます。
 被告人を処罰すべきかどうかの判断に当たって、裁判官が被害者・遺族の顔を強く思い浮かべれば過失有りに傾くかも知れませんし、本件の起訴の後で閉鎖された産科やその結果、不安を抱えながら遠くの病院にまで行かなければならなくなった妊婦の顔を強く思い浮かべれば過失なしと判断するかも知れません。
 但し、以上はごく単純化した見方です。

 ともかく明日の判決を待ちたいと思います。

 判決予想自体はそれほど意味があるとは思えませんので、判決が出たらこのエントリは消すかも知れません。
モトケン (2008年8月19日 12:26) | コメント(48) | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)




引用:大野病院事件判決前日のエントリ - 元検弁護士のつぶやき

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